4.ポートフォリオ制作前にやるべきこと 苦手な自己分析はグループワークで。
「小さいころから絵を描くことがすきで、、」「ゲームでよく遊んでいて、、」 苦手な自己分析は、自分の心の中の言葉探しから。
こんにちは、キャリコンの中路真紀です。このブログは、クリエイティブ業界を目指すみなさんに「キャリアデザインの考え方を取り入れた戦略的なポートフォリオ制作」をお伝えします!
前回は、フローのどこから始めるか、それは現在のあなた次第ですが、順番に積み重なっていって、初めて内定が貰えるのです、という話をしました。本日は①の自己分析について話をしようと思います。自己分析なんて、就職活動で初めて聞く言葉だと思いますし、なんだか難しそうと思うかもしれませんが、自己分析は「自分のことを知ること。」それだけです。
私がポートフォリオの授業で5年間初回に毎年やっているグループワークをお教えしましょう。
「あなたは、なぜこの大学のこのコースに入学しようと思ったのですか?」
「高校生の時の気持ちを思い出してみてください。どうして選んだんでしょう?」
少し思い出してみてください。
当時の気持ちを思い出したでしょうか?
きっと沢山の大学の中で、今の大学を選んだ理由があったはずです。
いろんな期待もあったかもしれないし、「こんなはずでは、、、」と思って入学したかもしれません。
その気持ちを、今書き留めておいてほしいのです。
大学を選んだ気持ち、学部やコースを選んだ当時の理由を、もう少し具体的な言葉を使ってノートに書いていくと、その中から「自分がやりたかったこと」とか「将来のゆめ」とか「きっかけ」の言葉が見つかることがとても多いのです。きちんとした文章にする必要はないので、キーワードをどんどん書き留めていきましょう。
デザイナーになりたい学生たちがよく書いてくるのは、
「小さいころから絵を描くことが好きで、、、」
「ゲームでずっと遊んでいて、、、」
これをもう少し具体的な言葉で書いてみましょう。
具体的な言葉を使って書くというのは、例えば以下のように質問を深めていくことで具体的な言葉が出てきます。
「小さいころっていつなんでしょう?」
「絵を描くってどんな絵を?」
「好きってどのくらい描いていたの?」
「ゲームってどんなゲーム?」
「なんでそのゲームが好きになったの?」
「そのゲームのどこが好きなの?」
と、どんどん深く具体的に書いていくのです。自分で書いたメモは捨てないでくださいね。なぜかというと、自己紹介や志望動機の言葉としても使える「キーワード」になる可能性があるのです。
もうひとつ、これにはポイントがあって、自分だけで考えると思い出せないかもしれませんが、グループワークで友達と会話をしながら、進めていくと、思い出すことが増えていくと思います。
大学までのことを思い出したら、次は「将来のこと」を考えてみましょう。
「あなたはどういう業界で、どういう仕事をしたいですか?」
「なにかゲームの仕事!」「デザイナー」と、一言で答える方が多いのですが、これも先ほどのやり方と同じで、自分に質問をしながら深めていきます。どういう業界か、というのはデザイナーの仕事は、同じ仕事が違う業界にあることが多いからです。(これはあとの業界研究のところでお伝えする予定です)
「ゲームの仕事ってどういう仕事?」
「どんな仕事をイメージしているの?」
「2D?3D?」
「デザイナーって、何を作るデザイナー?」
もしかしたら、仕事の名前(職種のこと、たとえば「プランナー」とか)は思いつかないかもしれません。そうしたら、どういう仕事をしたいのか、言葉で説明できればいいです。
あとで、調べると職種がわかるかもしれないし、そもそも存在しない仕事を希望する学生さんもいます。その場合は、他の仕事を探すか、自分で仕事を創りだすことが必要になるかもしれないですね。
そして、どういう仕事をしたいかわからない、、、そういう事もあります。
そのときには、今の自分に質問してみてください。
「今、どんな授業が楽しいと思っている?」
「どんなことが得意なの?」
「人と接することは好き?」
「絵をかくことを職業にしたいと思っている?」
「そもそも大学には何故入ろうと思ったの?」
昔の自分の気持ち、今の自分にいろんな質問を沢山することで、
やりたい仕事が少しづつですが、見えてきます。
次回は「それでも見つからないよー」という方へ、具体的な見つけ方の話をしようと思います。
くれぐれも言葉を書き留めたメモは捨てないでくださいね。きっとこれから使えますから。
「大切なのは、デザイナーのためのキャリアデザイン。」
プロフィール: 中路真紀 (株)ジェットマン取締役。東京工芸大学、宝塚大学非常勤講師。
1級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格)。CDA。一般財団法人女性労働協会認定講師。
富士フイルム労政部を経て、ソニーミュージックエンタテインメントにてゲームCG開発で徹夜の日々。突然の部署解散をきっかけに制作会社設立に参画。デジタルスケープにて、スキル評価、「クリ博」講師、経産省クリエイター人材育成プロジェクト事務局など、クリエイターのキャリア開発に長年にわたり関わる。業界を目指す学生や、プロクリエイターを中心に、これまで6300名を指導してきた経験から、独自の「キャリアデザインの視点から考える戦略的なポートフォリオ制作」と、グループワークを体系化。クリエイター向けに長期的に役立つキャリアセミナーやキャリアコンサルティングを提供している。現在、UIUXデジタルコンテンツ開発会社(株)ジェットマン取締役。
執筆協力:「ポートフォリオの教科書」(ワークスコーポレーション)「iOSプログラミング」(アスキーメディアワークス)「iPhoneSDK3プログラミング大全」(アスキーメディアワークス)