3.ポートフォリオ=自分の作品集 これでは就職用のポートフォリオではNGです。
就活用のポートフォリオは、なぜ必要?をとことん考える
こんにちは、キャリコンの中路真紀です。このブログは、クリエイティブ業界を目指すみなさんに「キャリアデザインの考え方を取り入れた戦略的なポートフォリオ制作」をお伝えします!
前回は、デザイナーこそ自分でキャリアデザインすることが大事であること(今も将来も!)業界の変化とデザイナーの仕事は繋がっているから、求められるデザイナーのスキルも、使うツールも、必要な人数も変わっていくこと。
だから、自分で舵を切って、自分のキャリアを軌道修正する力がこれから益々必要になるという話、就職活動はそのスタート地点であるという話をしました。
それで、みなさんが一番気になっている「ポートフォリオ」。
就職活動になぜ必要なんでしょう?
ポートフォリオのセミナーで、必ず聞かれるのは
「ポートフォリオは何枚必要ですか?」という質問。
必要な枚数を揃えたら、内定が貰えるんでしょうか?
書籍やネットのポートフォリオのノウハウ通りに作ったら内定貰えるのでしょうか?
内定者のポートフォリオを真似すればいいのでしょうか?
それとも、自分の作品をまとめてポートフォリオを作ればそれでいいのでしょうか?
ポートフォリオ=自分の作品集はNGです。就活フローを見て冷静に考えよう。
実は、自分のこれまでの作品を見せるだけでは、内定をいただけないことが多いのです。
クリエイティブ業界の就活フローは、おおむね以下のような流れになっています。
フローの中でも④のスキルアップすること、⑤のポートフォリオを作ることは、とても時間がかかります。
「とりあえずポートフォリオをまとめて、、、」と始めると、履歴書ESと一緒に応募⇒あえなく撃沈し、人生初の「お祈りメール」(企業から選考が落ちたという連絡メールのこと。文末にご活躍をお祈りしますと書いてあることからお祈りメールと呼ばれます)をもらう、というケースがとても多いのです。
毎年残念に思うのは、実力的には内定取れそうな学生が、第一志望の企業含め何度も落ちて、よくやくこの就活のフローに気が付くことが多いということ。
ポートフォリオ制作は、就活の流れ(フロー)の中の「一つの行動」でしかないのです。しかも、とても時間がかかります...
企業側からの視点で見れば、募集している「職種」に対して、履歴書と共にポートフォリオが大量に送られてくるわけです。
その時に企業は何を見ていると思いますか?
その職種に対して、良さそうだなと思う学生を探している訳ですから、
ポートフォリオに、「その職種に必要なスキル」を証明する作品が入っていること、スキルがあることをアピールできていることが大事です。
ですから、職種が決まっていないのに、自分の作品集として就職用のポートフォリオを制作しても、就活が先に進まないのです。
ただし、志望職種や将来が見えてなくても、まずはポートフォリオをまとめる、自分の作品を見直すことで、自分に向いている職種が何か発見できることも多いものです。(⑤⇒①)
職種が決まらないからといって、ポートフォリオが作れないのではなく、職種を考えてみたけれど、今はわからないからポートフォリオを作って考えてみるということも大事です。
また、今回の就活がダメだったのかを、冷静にフローを見ながら今の自分の位置を考えると、どこに戻ってやり直す必要があるのか戦略が見えてくると思います。
フローのどこから始めるか、それは現在のあなた次第です。
でも、順番に積み重なっていって、初めて内定が貰えるのです。
「大切なのは、デザイナーのためのキャリアデザイン。」
プロフィール: 中路真紀
1級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格) (株)ジェットマン取締役。東京工芸大学、宝塚大学非常勤講師。
富士フイルム労政部を経て、ソニーミュージックエンタテインメントにて、ゲームCG開発で徹夜の日々。突然の部署解散をきっかけに制作会社設立に参画。デジタルスケープにて、スキル評価、「クリ博」講師、経産省クリエイター人材育成プロジェクト事務局など、クリエイターのキャリア開発に長年にわたり関わる。業界を目指す学生や、プロクリエイターを中心に、これまで6300名を指導してきた経験から、独自の「キャリアデザインの視点から考える戦略的なポートフォリオ制作」と、グループワークを体系化。クリエイター向けに長期的に役立つキャリアセミナーやキャリアコンサルティングを提供している。現在、UIUXデジタルコンテンツ開発会社(株)ジェットマン取締役。
執筆協力:「ポートフォリオの教科書」(ワークスコーポレーション)「iOSプログラミング」(アスキーメディアワークス)「iPhoneSDK3プログラミング大全」(アスキーメディアワークス)