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Jetmanブログ

株式会社JETMANの中の人が、ゲームエンジンやUI/UX、クリエイターのキャリアデザインについて語ります。

90日前のポートフォリオ 私のキャリアとゲームCG業界

f:id:jetmanblog:20150120164655p:plain「はじめまして」

 はじめまして、キャリアコンサルタント(資格:1級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格の中路真紀です。このブログはクリエイター、デザイナーを目指す学生の方に、キャリアデザインの視点から、「自分に必要なポートフォリオ」はどういったものなのか?戦略的に制作することを目指すブログです。

まずは自己紹介。私のキャリアとゲームCG業界のこと。

みなさんと同じ頃の自分を思い出して書いてみようと思います。就活が始まった時のこと、大学卒業後、進学しようと美術予備校に通っていたのですが、親の反対を押し切れず、学費も出せるわけがなく、泣く泣く某フイルム会社に入社。

「人に関わる仕事」か「デザインの現場」を希望して、配属されたのは「労政部」という部署。女性の人事、労政を扱う部署でした。

やってみたら仕事は楽しくて周りの人たちにも恵まれて、あっという間に7年が過ぎたある日、大きな転機が訪れます。

やってみてから考えてみよう。チャンスが開けるかもしれません。

ふらっと立ち寄った本屋でCGの学校があると知り、雷に打たれたようなショック。その場で電話。貯金をはたいてCGの専門学校に入学。

計画された偶発性理論(プランドハップンスタンスセオリー)

個人のキャリアの8割は予想しない偶然の出来事によって決定される(ジョン・D・クランボルツ教授)

その時の私は、まさにコレ。みなさんも、今から思うと「偶然が大きなきっかけになったこと」ありませんか?

当時29歳! もう後がない。

「どうしたら採用してくれるのだろう?実績もないし。この年だし。」

「とにかく賞を狙おう、実力が認められれば採用してくれるかもしれない。」

ということで、とにかく作品制作を頑張ると同時に、まだ学生でしたがクリエイターの派遣会社に登録。

女性5人チームで作ったCG作品が、ソニー主催のコンテストDEPと、ニコグラフで賞をいただくことができました。偶然にも派遣先の部署がコンテストの主催者でもあったご縁も重なって、卒業後ソニーミュージックエンタテイメントのゲーム部署に入社することができました。

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プレイステーションのゲームソフトのCGキャラクターアニメーションや、テレビのオープニングや、ポスター制作など、色々担当させて貰ってホッと一息、かと思いきや、突然の部署解散!! これは本当にショックでした。お先真っ暗です。ゲーム業界が一番元気が良かった時期で、部署がなくなるなんて、リストラなんて、全く考えてもいませんでした。

ソニーのゲーム開発会社への移籍は可能だったものの、当時制作チームも若くて「進行中の企画のままで、このメンバーのままPS2で制作したい。独立だ~!」と仲間と起業しました。怖いもの知らずだったんですね。

企画を買ってくれた初台の某大手ゲーム会社の本社に事務所を開設し、PS2のゲームソフトをたった5名だけで企画シナリオCG開発のすべてを担当するという、今考えても恐ろしい物量の仕事を気力で乗り切り、プロジェクト終了後2年ぶりに井之頭公園を散歩すると、木も池も全てCGに見えるという貴重な経験をしました。でもこの仕事のおかげで、ゲームの企画から販売まですべての流れを経験したことが、その後の仕事にとても役に立ったのです。

リストラも予想できなかった偶然の出来事。でもリストラされなければ、起業もしなかったし、仕事を広く学ぶチャンスも、きっとなかった。後から考えると、最悪のことも良い転機だったということもあるんですよね。

この頃から、クリエイター支援テレビ番組のコメンテイターをさせていただいたり、大学や専門学校で、この業界を目指すにはどうしたらいいのかなど、学生さんの相談に乗ることが増えていきました。キャリアコンサルタントとしての仕事の始まり。自分自身も就職活動はとても不安だったし、ゲーム業界のことや映像業界のことは中々知る手段がないですからね。

そして、ゲーム、ミュージックビデオ、CM、テレビの仕事をしているうちに、だんだんゲーム制作のノウハウが、ゲーム、エンターテイメント業界以外の「お固い業界」から求められるようになっていきました。

例えば、ユーザーインターフェイス

ゲームの画面の情報は、時間、体力、敵の位置、マップなど実は情報量が複雑で膨大です。それを「瞬時に」「ストレスなく」「楽しく」遊んで貰うために、ユーザーインターフェイスの画面は緻密に計算されています。そのノウハウが、メーカーから求められるようになりました。

例えば、「モノを楽しく買ってもらうしかけ」、ネットからリアルなイベントに「参加者を呼ぶためのしかけ」。ゲーム的な考え方が、広告代理店、映画業界、教育業界など色々な業界から求められ、ゲーム業界以外のクライアントとのお付き合いも増えていきました。それが今のジェットマンの仕事の中心になっています。

 

そして、もう一つ大きな変化が。

その頃、ゲーム業界の仕事、CGの仕事がどんどん条件が悪くなりました。日本の景気も。

当時わたしは、兼務で人材会社でキャリアカウンセリングと、クリエイターのスキル評価、就活イベントのポートフォリオ講座の講師などを担当していました。

そこで感じたことは、、、

「デザイナーこそ、自分でキャリアをデザインする必要がある。」ということ。

 そういう現場を見て、早めにキャリアデザインの考え方を知ってもらいたくて、現在は大学でキャリア科目ポートフォリオ制作を担当しています。

              *1

これからはじまる「90日前からのポートフォリオ」が、皆さんのお役に立てたら嬉しいです。

どうぞよろしくお願いします。

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f:id:jetmanblog:20150120171948j:plain「大切なのは、デザイナーのためのキャリアデザイン。」

プロフィール: 中路真紀 1級キャリア・コンサルティング技能士(国家資格(株)ジェットマン取締役。東京工芸大学芸術学部、宝塚大学東京メディア芸術学部非常勤講師。

一般財団法人女性労働協会認定講師。日本キャリア開発協会会員

「大切なのは、デザイナーのためのキャリアデザイン。」をモットーに、ゲーム・デジタルコンテンツの開発経験から、クリエイティブ業界のキャリアデザインの重要性を伝えている。業界を目指す学生や、プロクリエイターを中心に、15年余り6300名を指導してきた経験から、独自の「キャリアデザインの視点から考える戦略的なポートフォリオ制作」を芸術系大学で7年担当している。

富士フイルム労政部を経て、ソニーミュージックエンタテインメントにて、ゲームCG開発で徹夜の日々。突然の部署解散をきっかけに制作会社設立に参画。デジタルスケープにて、スキル評価、「クリ博」講師、経産省クリエイター人材育成プロジェクト事務局を担当するなど、クリエイターのキャリア開発に15年余携わる。現在、UIUXデジタルコンテンツ開発会社(株)ジェットマン取締役。

執筆協力:「ポートフォリオの教科書」(ワークスコーポレーション)「iOSプログラミング」(アスキーメディアワークス)「iPhoneSDK3プログラミング大全」(アスキーメディアワークス

受賞歴:SONY DEP(デジタルエンタテイメントプログラム) NICOGRAPH'96

 


株式会社ジェットマン|アプリ開発・UIデザイン

*1:文京学院大学「職業とキャリア」クリエイティブ業界の仕事についてより